12月12日14時に東京地裁103号法廷で全国部落調査事件が行われました。例によって傍聴は抽選でした。
今回は双方が5分ずつ概要を説明しました。
被告側(示現舎)の説明は次の通りです。
・原告の一部は自分は直接関係ないけど親戚が解放同盟関係人物一覧に掲載しているから当事者だと言った主張をしているが、そのような考えこそ血縁関係による差別である。
・原告らは復刻・全国部落調査の書籍が横浜地裁に提出されたことから、書籍が存在しないと被告らが嘘をついていると言うが、横浜地裁に提出したのはオンデマンド印刷物であって、単なるコピーと変わりがない。
・戸籍の不正取得が即座に部落差別と結びつくことはない。例えば2010年に家系図の制作業者が最高裁で逆転無罪になった事件があったが、あの事件では業者が戸籍謄本を不正取得していたが、記念品としての家系図の作成のためで、部落差別とは何の関係もなかった。
・被告宮部の戸籍謄本を証拠として提出したので、全国部落調査と照合して宮部「被差別部落出身者」かどうか調べて結果を答えて欲しい。答えられないのであれば、戸籍で部落民が分かるなどという根拠のない風評を広めているのは原告らである。
・原告らは被告らがアウティングをしていると言うが、被告らはむしろ部落の地名から部落民が分かるものではないと言っている。アウティングというのは、解放同盟がやっていた狭山同盟休校のようなことを言うのではないか。
・解放同盟の部落民認定はいい加減なものである。また、部落や同和地区を特定しなければ、同和行政に関わる事件の報道はできない。『同和の会長』殺人未遂事件がその実例である。
被告側提出書面
原告側(解放同盟)の説明は次の通りです。
・水平社からの当事者の努力で戸籍の閲覧が制限されるようになった。
・個人情報保護法に係る、金融庁のガイドラインで社会的身分はセンシティブ情報とされた。
・ツイッターで被告宮部は「でも、全国部落調査の発禁が解除されたら、今度は本格的にバンバン売って金儲けしますよ。それによってアホが憤怒して発狂することを含めて表現でありアートなので。別に押し売りするつもりはないので地名総鑑事件の糾弾ビジネスよりはるかに良心的です。」などと言っている。
そして、以下のツイートをA1サイズくらいの紙に印刷したプレートを掲げようとしましたが、もう証拠調べは終わったからということで裁判官にやんわりと止められていました。
でも、全国部落調査の発禁が解除されたら、今度は本格的にバンバン売って金儲けしますよ。それによってアホが憤怒して発狂することを含めて表現でありアートなので。別に押し売りするつもりはないので地名総鑑事件の糾弾ビジネスよりはるかに良心的です。
— 鳥取ループ@示現舎 (@tottoriloop) 2016年10月17日
原告側提出書面
裁判終了後のネット放送を録画で視聴いただけます。
今後の裁判の日程ですが、2月17日までに被告側が書面を提出し、3月13日 14時に同じ法廷で口頭弁論が行われます。
原告側の要望は「被告側の主張は全て出し切ってください」とのことです。そして、原告側の書面の提出日は未定ですが、部落差別解消推進法にからめた主張をするとのことです。また、裁判官からは原告に対して当事者適格性の件について明確にする用に要望が出されました。原告は早く結審させたいようでしたが、いつ結審するかは未定です。