神奈川県最大の部落はどこか? と言えば、それは今回紹介する曽屋である。1934年当時の世帯数は135、人口は872であった。
曽屋を地図で調べると秦野市内の広い範囲が該当するが、部落はその中の一部である、急斜面にある。
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神奈川県内でも唯一の隣保館である「ほうらい会館」は曽屋にある。あいにくの雨でしかも平日にもかかわらず、隣保館の駐車場は満杯で高齢者で賑わっていた。ここを始点に探訪を開始する。
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ほうらい会館の横には遊具がある「ほうらい公園」がある。晴れていれば子供たちのよい遊び場である。
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金目川に架かる「蓬来人道橋」。ここから、「ほうらい」の漢字表記が「蓬来」であることが分かる。宮本洋一氏の日本姓氏語源辞典によれば「蓬来」という姓があり、「蓬莱」の異型であるという。つまり、蓬莱の別表記ということだ。
蓬莱というと、関西出身者だと肉まんで有名な「551の蓬莱」を思い浮かべてしまうだろう。蓬莱とは中国の道教の用語で、仙人が住む地を指すという。また、日本においては富士山を指す言葉でもあるようだ。
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部落を探訪する時は、スマートフォンで「ポケモンGO」を起動すべきである。これは、寺社や道祖神などその地域の名所がポケストップになっており、どこが見どころか分かりやすいからだ。グーグルマップで検索するよりも効率がよい。
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ちなみに、さきほどのほうらい会館はポケストップになっており、ほうらい公園はジムになっている。
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部落は、この金目川の向こうにある。アパートがあり、地区がから住民が流入していることが分かる。
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曽屋の中でも、この中野自治会の区域が部落に該当する。この中野自治会館には、一時期全日本同和会の事務所があったのだが、特定団体が自治会館の一部を専有することについて地元住民から反発があり、退去したという。
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部落は急斜面にあり、今でこそ舗装されて自動車やバイクで駆け上がることができるが、舗装されていなかった時代は今日のような雨の日は大変不便であっただろう。
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今でも、細い道が残っており、横須賀でよく見られるような、徒歩でないと入っていけないような場所にある住宅がいくつかある。
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ただ、同和地区指定された部落の特徴として、必ずと言っていいほど、誰でも自動車を停められる空き地や少し余裕のある道路が確保されている。曽屋もその例に漏れないようである。やたら駐車禁止を厳しく取り締まって、コインパーキング業者を儲けさせるだけではなくて、こういった配慮を一般地区にもしてもらえればと思うのは筆者だけだろうか。
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ひたすら坂道を登ると、白山神社の案内板があった。
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白山神社はポケストップになっており、ここでもポケモンGOが威力を発揮する。
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曽屋の白山神社はろくに管理されていなくて荒れ放題になっているという噂を耳にしていたが、来てみるとそうでもない。確かに、他の地域の白山神社に比べれば階段に雑草が多めだが、完全に放置されていれば、この程度では済まないだろう。
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遊具もあり、子供の遊び場にもなる、立派な白山神社だ。
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部落である斜面の上は見晴らしが良い。残念ながら今日は雨だが、天気がよければ富士山が見え、まさに蓬来と呼ぶにふさわしい景色が見られるはず。景色を気に入ってよそから移住する住民も多く、混住が進んでいると聞く。
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住宅に入り混じって畑も多い。秦野と言えば落花生が名物。写真は落花生畑だ。
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これは千部供養塔と言うそうだが、由来はよく分からない。南妙法蓮華経と書いてあるので日蓮宗と関係あるのだろう。
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これは、神解連(全国部落解放運動連合会の神奈川県連)の「なんでも相談所」の看板。年季が入っている。
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ちなみに、なんでも相談所は神解連が神権連(全国地域人権運動総連合の神奈川県連)となった今でもここに存在している。本当になんでも相談できるので、筆者に対して「あの、あの、楠橋のお城って同和会の会長が北九州市に売ろうとしていたって本当ですか?」とか「同和者の血筋が入ると困るので詳しく教えてほしい」といった電話をかけてくるような人は、ぜひ秦野を訪れて神権連の「なんでも相談所」で、何でも相談してみるべきであろう。ちょっと頑張れば秦野駅から歩いて来れる。平日なら誰かいるはずだ。
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細い路地、急斜面があるが、今ではコンクリートで固められている。
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部落では共産党と公明党のポスターが見受けられた。他の政党のポスターは全くなかった。
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こちらは、日蓮宗長源寺。ポケストップにもなっている。
神奈川県の部落は、日蓮宗の檀徒が多いようである。これは筆者が現在まで部落探訪してきた主観ではあるが、日蓮宗の部落は、浄土真宗の部落に比べて、異常・異様な物件、空き地、廃墟、ニコイチが少ないように感じられる。素朴な疑問として、なぜあからさまに同和地区と分かるようなニコイチ群をわざわざ作る部落があるのかと疑問に思うことがあるが、それは全くまっとうな感覚で、神奈川県では同和事業が行われた時代に、同和対策の公営住宅を作ることは新たに同和地区を作るようなものだと住民の反発があった。そのため、ほとんどの部落は貸付金による持ち家方式で地区の改良を行ったという。
社会学者マックス・ウェーバーの名著、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」では宗教が社会や経済に影響を与えることを説いている。とすると、日本において仏教の宗派の違いが同和問題に影響を与えたのではないかという考えは、それほど突飛な考えではないのかも知れない。