本日、横浜地方裁判所では通算4度めの審尋が行われました。現在、横浜地方裁判所では本の復刻・全國部落調査の出版禁止と同和地区Wikiの件が審理されていますが、今回は復刻・全國部落調査の件です。
示現舎側の主な主張は次の通りです。
- 全國部落調査の復刻が業務妨害なら、企業が画期的な製品を発売するようなことも業務妨害と言わなければならなくなる。
- 解放同盟が業務と言うものは政治的活動であり、出版禁止は政治的な都合で学問の自由を制限することである。
- 関係者が「被差別部落出身者」であると主張した書面を裁判官が「相当と認め」たことは、昭和8年9月25日付司法次官通達に反する。
- 全國部落調査の復刻に反対しているのは解放同盟と全国連だけであって、自由同和会等は、同和地区など調べれば分かるのだから部落地名総鑑で大騒ぎする必要はないとしている。
- 全國部落調査出版の是非は、部落問題を無知と恐怖と不寛容により解決しようとする解放同盟・全国連と、知識と対話と寛容により解決しようとする自由同和会・人権連・全国協の、どちらの勢力が正義なのかという問題。
- 戸籍謄本の不正取得が部落差別につながる身元調査だというのなら、宮部の戸籍謄本を出すので、これと全國部落調査を使って部落出身と判別できるか試してみろ。
- 出版禁止は、解放同盟とってだけ都合の良い知識だけを、債権者解放同盟に従順な研究者を通してしか得られないようにする、極めて反民主主義的・反自由主義的な処分。
マナー違反ですが、解放同盟側は、当日になって反論の書面を追加で出してきました。
解放同盟側の主な主張は次の通りです。
- 前回の審尋で示現舎側が提出した「復刻・全國部落調査」は裁判所提出用の資料だと言うが、バーコード等が付けられているので頒布するためのものである。
- 「小林健治と有田芳生に対抗する全国部落解放協議会5年のあゆみ」も実質的には「復刻・全國部落調査」と同内容である。
- 「全國部落解放協議会」は当初は偽装団体で、その後は実際に会員を募って「復刻・全國部落調査」頒布する隠れ蓑となっている。
- 過去に部落地名が列挙された出版物は頒布対象等が限定されていたが、「復刻・全國部落調査」はそうではない。
- 示現舎の行為はアウティングである。
- 宮部の戸籍謄本で部落出身と判別できるかは答えない。
- 示現舎には真摯さがなく、学問目的とは認められないし、全国部落調査には学術的価値はない。
債権者準備書面2-H28-11-14.pdf
債権者準備書面3-H28-11-30.pdf
解放同盟側がアウティングだと言うので、本物のアウティングはどんなものか説明するために、以下の資料を証拠として提出しました。
そして、今回の審尋では裁判官から不思議な質問がされました。以下の冊子の記述について見解を述べてほしいとのことです。
要は「同和問題をどう考えてるんや」ということでしょう。無論、この冊子の内容は法律とは関係ないし、法務省や文部科学省がどう思っているかは解放同盟にも示現舎にも関係ないことですが、それでもあえて説明して欲しいとのことです。
次回の審尋は、ウェブサイト等の件で12月15日、全国部落調査の出版禁止の件で1月12日を予定しています。