同和が絡むとしばしばあり得ないことが起こる。前回の記事でそう書いたが、やはりその通りであった。
既に新聞等の報道でご存知と思うが、横浜地裁により全国部落調査出版禁止の仮処分命令が発せられた。
めったにない事だからこそニュースになるわけで、裁判所が出版物の事前差し止めをするのは珍しいことである。今回特に珍しいのは、出版物の内容に直接関係がないのに「被差別部落出身者」を騙ったら仮処分が通ったというところである。
以下がその決定文である。
要は解放同盟側が50万円を預ければ、出版を禁止して、製品を差し押さえできるということである。しかし、種を明かせば、全国部落調査は1冊も印刷していない。現物がない以上、出版禁止も差し押さえも出来ないので、この仮処分は空振りである。
これはあくまで「仮」の処分なので、通常であればこれから解放同盟が実際に訴訟を提起するということになり、示現舎側は裁判所に異議を申し立てるといった対抗措置があるのだが、いかんせん、問題の著作物の現物がないゆえに「訴えの利益なし」で終わってしまうので、このまま放置するのが妥当だろう。
仮処分関係の書類はもう不要で、かと言って捨てるのも勿体無いので、ヤフオクに出品しておいた。もちろん、解放同盟側が印刷した全国部落調査の全文コピーもあるので、物好きな方はオークションに参加されたい。
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s484804015
ただ、部落地名総鑑の元ネタは戦前に作られた全国部落調査であるという、今までタブーだった事実が新聞報道によって知れ渡ったことは1つの成果である。当然、これは序章に過ぎないので、今後の展開に注目である。
ところで、本日は以下の文書を東京法務局に受け取りに行ってきた。人権擁護部長がこの文書を読み上げて、表彰状のように筆者に手渡すという仰々しい儀式であった。職員に聞いてみると、これは「説示」であって、「行政指導」のように何かをやってくれというわけではなくて、単に文書を読んで渡す、それだけの意味しかないという。
「不当な差別的取扱いをすることを助長・誘発する目的」とは事実無根のことなのだが、実は先日岩城光英法務大臣が参議院の法務委員会でそのようなことを言ってしまったので、こうでも書いておかないと格好がつかんということなのだろう。