昨年5月、箱根の火山活動が活発化し、火口地帯である大涌谷周辺は立入禁止とされた。周辺の規制は徐々に解除されたものの、肝心の大涌谷への立ち入りは未だに規制されたままだ。
名物の「黒たまご」も、卵をゆでる場所に立ち入りできないため、残念ながら製造ができず、販売もされていない状態だ。
しかし、箱根には大涌谷以外にも、卵をゆでることが出来る場所があるという。その場所は、「硫黄地獄」と言うそうだ。
グーグルマップで調べると確かに出てくるのだが、ストリートビューは入っておらず、航空写真で見ても何があるのかよく分からない。
とにかく、これは実際に行ってみようということで、昨年の9月にグーグルマップのナビを頼りに行ってみたのだが…
結果はこの通り。看板には午後5時から午前7時まで通行止めとあるが、今はずっと閉鎖されたままのようだ。
やはり火山活動の活発化でここも規制されてしまったのかと思い、一旦は帰ったものの、よくよくネットで調べてみると、今でもそこに行ったという報告が見受けられる。ということは、何らかの方法で現地に行けるということだ。
再度現地を訪れたのは昨年の12月。近くのホテルの関係者に聞いてみたところ、車両通行止めというのは、あくまで車両が入れないということであって、人の立ち入りが規制されているわけではない。しかし、「行ってもいいけど、ガスが出ていて気分が悪くなったりすることもあるので自己責任で」ということだった。
そこで、今度は通行止めをまたいで越えて、先へと歩いて進んでみた。
途中に分かれ道がある。左に進むと、「工事関係者以外立入禁止」の看板があって道がふさがれており、これ以上進めなかった。そこで右へ進むと、道の向こうにぼんやりと湯気が上がっているのが見えた。
道路の脇に温泉が湧いている。硫黄が主成分と思われる、黄色っぽい湯の花が沈殿しており、まさにこれが硫黄地獄と見て間違いないであろう。
観測のためか、温度計が設置されている。現在の温度は79.9度。卵をゆでるには十分な温度だ。
早速、コンビニで買った卵を投入。温度センサーが取り付けられた鉄筋が差し込んであるところが泉源らしい。
ちなみに、周囲には卵のパックに貼られていたと思われるラベルが落ちていたので、度々誰かがここに卵をゆでに来ているようだ。
30分ほどゆでた卵。硫黄のためか表面がまだらに黒ずんでいる。名物の黒たまごほど黒くはないが、中はしっかりと固ゆで卵だった。
しかし、何か物足りない。温泉卵と言えば、白身がトロトロで黄身は固まっている、あれだろう。
この温泉はかなり熱いが、源泉温度日本一の湯村温泉の98度よりはかなり低いので、工夫すれば温泉卵を作ることができそうである。
(次回に続く)